Risa Sato さとうりさ

作品《本人》は、設置場所である抜里の寺山（通称：ぼいんぼいん山）自身のかたちを180分の1スケールで形成している。

寺山の頂上より少し手前の設置されている場所は、鑑賞者が作品に腰を下ろす座面の位置とほぼ一致する。

座った人は目の前に広がる抜里の風景を眺め、足元の寺山のかたちを身体で触れ、自分の現在地を、視覚と触覚で確認するはずだ。

その束の間の時間が、わたしたちの日常の混乱を静め、それぞれの “今” をクリアにしてくれる。 かもしれない。

もっと本人になれる。かもしれない。

“わたしはここにいる”

《Unmanned 無人駅の芸術祭／大井川2023》事務局より、寺山に設置するベンチ機能を持つ作品を依頼され、制作した作品です。

2022年曽爾村でのレジデンスで、山をテーマにして以来、現代版・山岳信仰について考えていました。この作品を通し、さらに山と人の生活についての関心が深まりました。

芸術祭の開催期間と関係なく、いつでも利用できます。

好きなだけ腰掛けてください。